鎌倉に住むということ

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昔は時期によって、人の少ないエリアがありました

都内から鎌倉に住まいを移して、約25年経ちます。この4半世紀の間に、鎌倉も変わったなあと、しみじみ思います。

25年前の鎌倉は、今よりも個人商店が多く、カフェよりも喫茶店が多い街でした。
夏は海が混むけれど、小町通りは閑散としている。
逆に夏以外の季節は、小町通りや神社仏閣に観光客の方が集まるけれど、海岸は静か。
そしてごくわずかですが、季節の変わり目など、海も街も空いている期間がありました。

でも今は1年を通して、たくさんの観光客の方でにぎわっています。ですから。
お気に入りのレストランで食事をしようと思ったら、予約は必須。ぶらりと散歩のついでに、気軽にランチやお茶を楽しむということができにくくなっています。

…というのは、お客の側の私が感じることで、お店をやっている方々にしたら事情は違うよう。

鎌倉で商売をする難しさ

若宮大路通り沿いのとあるお店の方がおっしゃっていました。

「鎌倉はお客さんが途絶える時期がある。その時期を何とか乗り切れば、またお客さんは戻ってくるのだけれど、なぜかパタリと人が来ない時期がある。それが精神的にきつくてお店を辞めてしまう人が多い」と。

なるほど。ふつうに暮らしていると、「1年中、観光客にあふれている」と思っても、その全ての方が買い物や食事をしたり、宿泊したりするわけではありません。言われてみれば、味もよくて、いつも混んでいたお店が突然なくなってしまうということが、時々あって不思議に感じていました。

その店主いわく「そこが鎌倉で商売をする難しさ」なのだそうです。

私が『鎌倉らしい』と感じるcafeみなづき

そんな波を乗り越えて、絶対にここはず~っと残ってほしい。

あじさいの季節に出合った極楽寺の「caféみなづき」はそんな風に強く感じるお店のひとつです。

住宅街の中にひっそりとある…のも当たり前。ご自宅の一部をカフェにしているのだそう。おいしいコーヒー&デザート、気さくな店主とのおしゃべり。ちょうどいいサイズ感の店内に、一つ一つエピソードのあるインテリアや小物たち。

いかにも仕事や家事の合間のコーヒーブレイクという感じで常連さんが立ち寄って、コーヒーを飲んで、長居はせずにサラリと帰っていく…。その生活感あふれるカフェの使い方こそ、私のあこがれ。
「鎌倉に住むって、やっぱりいいなあ」。そう感じさせられた時間でした。

cafeみなづき
鎌倉市極楽寺2-2-20
月曜、火曜定休

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